2015/2/19

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*vol.1 「オリンピック・レガシーって何?

*vol.2 「今までのレガシーとTokyo2020のレガシー

*vol.3 「形のあるレガシー、形のないレガシー

*当日配布資料はこちら

 

⑩民間フィットネスクラブに期待すること

Q:私は某民間フィットネスクラブで働いております。今後「レガシー」の観点から、民間フィットネスクラブに期待されることは何ですか。

 

河島徳基氏(以下K):いままでのフィットネスクラブは、三種の神器である、プール、スタジオ、マシンがある施設をあちこちに建てて、そこに3000人いれて、「はい、じゃあ次」ということを繰り返してきたと思っています。今後は、民間フィットネスクラブにもかかわらずバスケットボールやバレーボールができる、フィットネスに限らず運動ができる、楽しめる環境作りではないかというのが、僕の率直な意見です。

 

東俊介氏(以下A):現在フィットネスクラブを利用しているのは、意識が高くて収入も多い方が主なのかな、と考えています。それほど収入が高くない人でも、フィットネスクラブに通えるようになればいいのではと考えています。収入が低ければ低いほど、健康や食生活、生活習慣が乱れている状況があるので、そういった問題の解決を助けになるようなことをすれば、今以上に社会に貢献できる事業になるのではないでしょうか。

 

間野義之氏(以下M):フィットネス実施率が最も高いのは、スペインの17%です。つまり今のモデルでも、潜在的に実施率向上の可能性があります。しかし、日本独自のモデルを考えてほしいと思います。和のテイストがあるようなプログラムを。それが日本国内だけではなくて、東京オリンピックを機会に世界へ広がるようになればいいと思います。

 

⑪大学生にできること

Q:いまからでも大学生ができることは何でしょうか。

 

原田尚幸氏(以下H):とてもいい質問ですね。私は東京オリンピック開催が決まった直後から、「ボランティアをするにはどうしたらいいですか」、「オリンピックに携わるためにはどうすればいいですか」という問い合わせをいただいて驚きました。自分自身がもしオリンピックに関わりたいと考えているなら、どういう立場で、どのようなスタンスでオリンピックを迎え、そのための準備をどうすればいいのか考えることから始められたらいいと思います。

 

K:スポーツに価値があると思っている方、手を挙げてください。では、どんな価値があるか説明できる方、手を挙げてください。スポーツが好きな人はスポーツに価値があるとは思っているものの、実はその価値について説明できない人が非常に多いと感じています。もちろん教育的な価値もありますし、エンターテイメントとしての価値もあります。海外と比べて日本にスポーツが根付いていない理由は、多くの人がスポーツの価値を理解していないからだと思っています。学生のみなさんにはスポーツの価値とは何だ、ということを考えて、それを多くの人に伝えてほしいと思います。

 

A:世界を見ると、文化は様々に分かれています。文化の最も高い壁というのは、僕は言語だと思っています。スポーツは言葉を伴わずにコミュニケ―ションが図れる、スポーツ自体には壁がないので、言葉の壁を取り除ける人が必要になってくると思います。

 

H:私は、2020年には大きな技術革新が起こっていると予想しています。もしかしたら、どのような言語でもその場で同時通訳できる機械ができているかもしれませんね。

 

M:自動翻訳機みたいなやつを、首からぶらさげて。

 

H:それを使ってボランティアをするのもいいかもしれませんね。

 

K:そうなると、今後は話す内容が大事になってきます。端末のおかげで言葉の壁がなくなったとき、日本人に最も欠けているものは、「話さないこと」です。

 

H:なるほど、確かに話す内容が重要になってきますね。

 

<最後に…>

H:では最後に、登壇者の皆様から本日のトークセッションを振り返って一言ずつコメントをいただきたいと思います。私自身は、このままだと関わっている人たちだけが得をするオリンピックになってしまい、都民や国民の皆さんが何も得るものがない大会になってしまうのではないかと、ものすごく危機感を抱いています。私の場合は、普段大学で人を育てることに携わっていますが、今後も引き続き学生たちと一緒に東京オリンピックのことを考えて、何かのお役に立てたらと考えています。

 

K:僕は東京オリンピックというものをツールとして使えたら、と思っています。みなさんにも直接オリンピックに関わっていきたいという気持ちがあるはずですが、このオリンピックを使って社会をどう変えていけるかというのも、視点として足りてない部分ではないでしょうか。オリンピックと社会との接点の中で、「オリンピックを開催していい社会になったよね」と言えるような大会にしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

A:僕にとっても考えを整理するのに、貴重な時間になりました。2020年はスポーツは体育のみならず、様々な価値を持っているということを、僕たち日本国民が知ることのできる最大のチャンスではないか、と思っています。「スポーツでぼろ儲けしようぜ」ではなくて、一人一人にとって「いいイベントだったな」と思えるようにするにはどうすればいいのかというのを、考える良い機会でした。

 

M:長時間ありがとうございました。私自身の取り組みについてちょっと紹介して終わりにしたいと思います。4月23日に「レガシー共創協議会」というのを立ち上げました。どんないいことも必ず、事業化しなければ継続できません。民間企業、それから中央政府、地方公共団体、スポーツ団体、約170社が集まって何を創って遺そうかというのを、とりあえず中間報告としてみました。6年後のことではありますが、すでにそういった動きが出てきています。ぜひインターネットで「レガシー共創協議会」と検索していただければ、そちらに中間報告書が出ておりますので、オリンピックに向けた取り組みを知る上で参考になるかと思います。

 

H:ご登壇者の皆様、ありがとうございました。本日のテーマである「オリンピック・レガシー」については、今日この場で話を聞いただけで終わりにするのではなく、どんな大会になればいいか、これからも考え続けていただきたいと思います。来たる2020年東京大会は、東京がよくなる、日本がもっとよくなるきっかけにしたいですね。そのためには、皆様それぞれのお立場で何ができるのか、何をすべきなのかをしっかりと考えて準備し、実行することが2020年の「オリンピック・レガシー」につながるといえるでしょう。本日は、ありがとうございました。

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