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    2014/09/05

    卓球の新しいカタチ

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    「卓球業界を動かしたい」。そう語るのはサンリオとのコラボを実現させた卓球ブランドWapperの責任者である奥山麻里さん。男性社会の中で積み上げた女性としてのキャリアを武器に、今まで革新的な取り組みをしてきた。そんな奥山さんにWapperとしての取り組みについてお聞きした。

     

     

    ――本日はよろしくお願いします。

    奥山 よろしくお願いします。

     

    ――ではまず「Wapper」というもの自体の説明をしていただいてもよろしいですか。

    奥山 はい。「Wapper」は株式会社三英の中の一つのブランドです。三英はもともと材木商から始まった会社で、現在は卓球台専門メーカーです。三英の卓球台は質が良くて、選手たちも「これ三英の卓球台だよね」ってわかるらしいです。

     

    ――どのような目的でWapperはできたのですか?

    奥山 Wapperには三英の社長である三浦の想いがこめられています。卓球業界を新たな切り口から変えていきたいという想いです。そこで選手たちのための専門の卓球関連グッズを作るよりも、みんなに卓球の楽しさを知ってもらうための商品を作ろうと考えました。そういうコンセプトのセカンドブランドを私の夫が任されたのですが、その時すでに夫は末期がんでした。それでもやれるまでやって、夫の遺作となったWapperというブランドを私が引き継ぐようなかたちとなりました。

     

    ――現在Wapperはサンリオとのコラボ商品を発売していますが、サンリオとコラボすることになったきっかけはなんだったのですか?

    奥山 もともと私はファッション専門雑誌の企画として仕事をしていました。ファッションが大好きで、様々な情報を興味深くみていました。その中の一つに、サンリオのキティちゃんが海外事業の展開を成功させている情報があり、そこで、今後三英を世界に打ち出したいとなればサンリオさんのお力をお借りしたいと思いました。

     

    ――サンリオさんへのご提案、苦労されたのでは?

    奥山 私も不安がありましたが「卓球の可能性を広げるために、キテイちゃんのお力をお借りしたい」ということを強く伝えました。おかげで担当者の心を動かすことができました。

     

    ――コラボ商品の製作はどうでしたか?

    奥山 商品を作るのって非常に大変です。デザイン企画~デザイン画~サプライヤーとのやりとり、サンリオさんの強いブランド力を守るためとWapperブランドとの意志の疎通。どうしても通したいデザインがあればその理由づけが必要だし、エンドユーザーのことを考えて使いやすいものにしなくてはいけない。何度も何度も作り直しサンプルができた後に販売中止になったものもありました。サンリオさんは非常に意識の高い会社で、勉強になりました。ブランドの成長のためにもいいご縁でした。そうやって試行錯誤して、2014年にイスポという展示会を皮切りに世の中の方々に見ていただくことが実現しました。

     

    ――イスポの前にも、海で卓球するといった新しいこともしているんですよね。

    奥山 そう、「ビーチでピンポン」という面白いネーミングで(笑)。たまたま三英がバルーンで膨らます卓球台を作っていたんですが、それを使って実践していなかったんです。だから検証がてら、プロモーションのイベントとして2か月にわたって沖縄の海で「ビーチでピンポン」というイベントをやっていました。「海でできるの?」とか、「風があって出来ないんじゃないか」とかみんな思うじゃないですか。だからいろんなボールを用意してみたんです。重いものやテニスのもの、穴が開いているプラスチックのものなど。その中で一番ラリーが続くのは、なんと普通の卓球ボールでした。こういうのってやってみないとわかりませんよね。

     

    ――その卓球台ならいろいろな場所に持っていって卓球ができそうですね。

    奥山 そうですね。ただ、検証の結果「もっと軽くなったらいいね」とか、「もう少し形状を変えてみたらどうか」等々、もう一度しっかりと製作し直すことになりました。こちらは今しばらくお待ちくださいね。

     

    ――卓球を広めることにもつながりますね。

    奥山 そうなんですよ。そこが狙いだったので。卓球を初めてやった人は面白さに気づいていただけますし、卓球をやったことがある人でも新しい形の卓球を楽しむことができると思います。三英は世界大会やオリンピックの卓球台公式スポンサーもやるから見てねってことも伝えられます。本当に楽しかったですね。ビーチピンポンていうカテゴリーって探したら無かったので、無いのならやったもの勝ちです。新しいカテゴリーを作っちゃえばいいんですよ。

     

    ――しかしまだ卓球をやれる場所は少ないイメージがありますが・・・

    奥山 みなさんは卓球がインドアだと思っているんじゃないでしょうか。でも外でやったほうが開放感もあるし心から楽しめるんですよ。ヨーロッパなんかでは公園などの屋外に普通に卓球台が置いてあります。日本でそういうことをすると、道具が無くなったらどうするんだって言いだすじゃないですか。それで結局何もできない。でも考え方としてそういうことじゃないんですよ。みんなで楽しむためのもの。

     

    ――屋外にあれば気軽に楽しめそうですね。

    奥山 娯楽でみんなが楽しんでもらえるだけで嬉しいし、こうやって台があれば簡単に卓球はできるってことを感じてほしいです。本格的なものはいらないんですよ。何か切り口を変えてでも卓球に親しんでほしいという思いがこのブランドのふざけたところでもあり、良いところでもあると思います。「卓球の可能性を広げる・本気で遊ぶ」というのがコンセプトなので。卓球って子供からお年を召した方まで、老若男女誰でも楽しめるんです。動く範囲も少ないから。本当にいいコミュニケーションツールだと思います。

     

    ――サンリオとのコラボ後の消費者の反応はどうでしたか。

    奥山 おかげさまでとても良かったです。卓球をやってる方の反応も良かったです。まだまだこれからノンプレーヤーの方々へも知っていただきたいですし、Wapperっていうブランドは何か面白いことをやりそうだなっていう予感をさせられたらいいなと思っているので。

     

    ――今後の展望をお聞かせください。

    奥山Wapperブランド商品が楽しさをたくさん世界中へ運んでいけるように、そして何より卓球が多くの方の身近な存在であるようにがんばります!

     

    ――本日はどうもありがとうございました。

    奥山 ありがとうございました。

     

    奥山さんは卓球というスポーツを通して世界に飛び出していきたいと言う。スポーツの枠を超えて全ての人が卓球に親しめる時代も遠くないかもしれない。今後も奥山さんの活躍から目が離せない。

     

    【奥山麻里】

    相模女子大学卒業後、1988年ファッション専門雑誌Gap Japan 企画プランナーとして、国内外の各アパレルメーカーの企画展/カタログ制作/ショープロデュース等多岐にわたり活躍。その後、家業である建築の現場で引き続き営業スキルを磨きながら、希少価値である革素材を使ったブランド「レイハートプロジェクト株式会社」を設立。イタリアフィレンツエで年二回開催されるPITTI UOMOへ3シーズン出展。

    その経験を活かし、2012年株式会社三英に入社し、新規ブランドであるWapperの立ち上げ〜製品の宣伝/営業のマネージャーとして活躍。

     

    【Wapper】

    「Wapperブランドの販路拡大・海外進出」と「卓球文化の訴求」を目指し、過去の慣習や常識にとらわれない独創的な発想・デザインが魅力で、卓球に馴染みのない人も思わず手にとってみたくなるようなアイテムを提供するブランド。

     

    取材:伊藤直樹、上原温

    文:佐藤智哉

     

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